旦那が逮捕された日のこと。
ある日旦那が突然逮捕されました。
旦那はヤクザ。
銀行口座開設したり、ホテルに宿泊したり、ゴルフ場に行っただけで逮捕される時代ですから、普段から覚悟はしていました。
今回の逮捕の始まり。
自宅の駐車場に戻ると、普段見覚えの無い白いバンが私の駐車スペースの隣に停まっていたこと。しかもスーツの男性が運転席と助手席に乗って私の事を見ている…
旦那、やらかしたのか?
それとも私なにかやらかしたのか?
なんかの料金の徴収か?
まさかの敵対勢力が私を拉致か?
ただの偶然か?気にしすぎ?
この時点ではまだその怪しいバンの正体に100%の確信は無かったので、いろいろ思考を巡らせながら、慣れ親しんだ駐車スペースに車を駐車する為に5回くらいハンドルをきり返すという怪しすぎる行動をとりました。
最後にハンドルをきり返し返す頃には、自身の件でやましい事は無いという結論。
だって、こう見えて(どう見えて?)法律遵守、困った人が声をかけずにはいられない、他人に迷惑をかけることがなにより苦手な私。
いくら考えを巡らせてもスーツの怪しい男性が押しかけてくる心当たりが無いのです。
こりゃ間違いなく旦那だな…
少し落ち着いて車を降りると、やはり白いバンからスーツの男性が二人降りてきました。
「警察で~す」
警察手帳を提示される。
私「はい」
「ご主人探しているんですがご存知ないですか?」
私「う~ん…ここ2日帰ってきてないですね。あれ3日だったかな?うん?えーっと...いつだっけ?待ってよ...」
と、想定外の質問に一人パニックに陥る私。
刑事さん苦笑い。
いやこれ事実なんですよ。
旦那はそういうやつなんです。
私「因みに何の件でしょうか?」
「プライバシーに関わることなので言えません。」
「念の為ですが自宅の中を見せてくれませんか?」
「自宅を見せることこそプライバシーに関わることなので見せたくありません」と、意地悪しようとも思いましたが、むこうも仕事ですからね。そんな意地悪も言えません。
快く自宅に招き入れると「自分は飲み会で深夜12時を過ぎただけで嫁に怒られるのに、そんなに帰らないでも怒られないってうらやましいなぁ…」とぼやく刑事さん。
愛されてるのね。
それくらいのほほんとした感じの空気で、各部屋を見回り
「あ、本当にいないですね」
「本人の寝室とかありますか?」
私「そこのソファーで寝てますけどいつも。屋上とか裏口もありますけど、見ます?」
「屋上?そこまではいいです」
私の心の声「え?見ないのかい!!」
私「刑事さんの番号教えて貰えれば帰って来次第こちらからかけさせますよ?本人に電話かけてみました?」
「いや、逃げられたりとかしたら面倒なので、自分たちが来たことは内緒にしておいてください。」
私の心の声「内緒にすると思うのかい?」
「いや、逃げられたらって...」
帰り際に、あなたの電話番号教えていただけますか?
と手帳を持ちながら尋ねられましたが
「う~ん、教えたくないな!そこはプライバシーなんで。」
いやこれは本当ですよ。
だって警察なら私の電話番号くらい知っているはずです、以前に何度か主人がお世話になったものですから。
それに自分で言うのもなんだが一応美人だし、その刑事さんが個人的な感情を持って電話してこないとは言い切れないでしょ?
と、その後帰ってきた旦那に言うと。
「そうだな...」とのこと。
続きはまた明日。